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AIだけじゃない! 「Microsoft Build 2025」で発表された開発者向け機能を振り返り
新しいツール「Edit」や「App Actions」、ポスト量子暗号化などにも注目
2025年6月3日 06:45
先日開催された開発者向けの年次カンファレンス「Microsoft Build 2025」では、多くの開発者向け機能が発表された。本記事では注目の内容を以下にまとめていく。
- 「Windows AI Foundry」:「Windows Copilot Runtime」を発展させたもの。「Foundry Local」や「Ollama」、「NVIDIA NIM」などのモデルカタログを統合し、Windowsデバイス上でローカルアプリが利用できるモデル環境を構築。「Copilot+ PC」ならばテキストインテリジェンス、画像説明、テキスト認識、カスタムプロンプト、オブジェクト削除といった主要タスクに対応したAPIも提供される
- Windows ML:OSに組み込まれたAI推論ランタイム。開発者が独自モデルをAMD、Intel、NVIDIA、QualcommなどのCPU、GPU、NPUへ効率的に展開することもできる
- Windows 11で「MCP」(Model Context Protocol)がネイティブサポート:AIエージェント時代を見据えたOS拡張を実施。今後数カ月以内にプライベートプレビューでテストされる
- Windowsの「App Actions」:開発者は自分のアプリの特定機能を“アクション”として公開できるようになる(App Actions API)。テストアプリ「App Actions Testing Playground」も提供
- 新たなセキュリティ機能:仮想化ベースのセキュリティ(VBS)エンクレーブSDKやポスト量子暗号化(PQC)を追加。「PQC」は近日中に「Windows Insiders」向けに提供されるほか、Linuxで利用可能となる
- 「Windows Subsystem for Linux」(WSL)のオープンソース化
- 「Terminal」、「WinGet」(PCの環境構築を自動化する「WinGet configuration」)、「PowerToys」(「PowerToys Run」v2にあたる「コマンド パレット」)、など人気ツールの改善。「エクスプローラー」の「Git」統合などを行う「Windows 高度な設定」(Windows Advanced Settings)や新しいCLIテキストエディター「Edit」も導入へ
- 「Microsoft Store」の改善:個人開発者の登録が無料に。Win32アプリ用の新しいWebインストーラー、アナリティクスレポート、「App Campaign」プログラムなどが追加